【R&Dレポート】未利用資源を「宝」へ。おからによる牛用飼料の利用を30年続ける岩田牧場様を訪問!

【R&Dレポート】未利用資源を「宝」へ。おからによる牛用飼料の利用を30年続ける岩田牧場様を訪問!

1. 飼料業界が抱える課題と、おからの可能性

現在、日本の畜産業は輸入飼料の価格高騰や、供給の不安定化という大きな課題に直面しています。一方で、国内では年間約70万トンの「おから」が発生し、その多くが活用しきれず廃棄されています。

オカラテクノロジズのR&Dチームは先日、おからを飼料として長年活用されている「岩田牧場」様を訪問しました。私たちがバイオ技術で目指している「おからの社会実装」を、30年以上前から現場で実践されている大先輩です。

そこには、私たちが研究を進める上で欠かせない「現場の知恵」と「おからへの愛」がありました。

2. なぜ「おから」なのか。30年前に始まった挑戦

岩田牧場様がおからを飼料として導入されたのは、今から30〜40年も前のこと。きっかけは、飼料コストの低減という切実な課題でした。

しかし、続けていく中で見えてきたのはコスト面だけのメリットではありませんでした。 「おからを与えることで、健康な子牛が生まれる」 長年の経験に裏打ちされたこの言葉は、おからが持つ栄養価のポテンシャルを何よりも雄弁に物語っていました。

3. 現場の技:添加物を使わない「嫌気性発酵」

私たちが特に注目したのは、その管理方法です。 岩田牧場様では、週に2回、新鮮な「生おから」を自ら仕入れに行かれます。それを袋に入れ、空気を抜いて密閉する「嫌気性発酵(サイレージ)」の状態で保管されています。

・温度管理: 特別な装置は使わず、部屋の温度で自然に発酵させる。

・純粋さ: 余計なものは一切入れない、おから100%の発酵。

このシンプルかつ力強い仕組みは、今後も研究に取り組む「固体発酵技術」の、いわば現場における完成形でした。

4. 牛たちが待ちわびる「16時のおからタイム」

給餌は毎日、夕方の16時頃。1頭あたり1日2kgのおからを与えます。

「最初はなかなか食べないけれど、一度慣れてしまえば、もう喜んで食べるようになるんだよ」と語る岩田さんの言葉通り、牛たちが夢中で食いつく様子は、おからが牛にとっても魅力的な「ご馳走」であることを教えてくれました。

5. 訪問を終えて:研究の原動力をいただく

私たちがバイオテクノロジーを用いて「エルゴチオネイン」などの成分を強化しようとしている一方で、岩田牧場様のように「おからの力」を信じ、30年以上も命を繋いできた方がいらっしゃいます。

この「現場の知恵」と「科学の力」を掛け合わせることで、おからはもっと多くの命を救い、環境を守る存在になれる。

岩田牧場様、貴重なお話と温かいお時間をありがとうございました。いただいた知見は、私たちの研究開発のさらなる糧として大切に活用させていただきます。


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